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「飼い主(私)はエサをくれる人だから、

たとえフードボウルを取り上げられても恐れる必要は無い」

と理解してもらうために、

次に実践したのは

おかわり方式
でした。 



手で直接与えるのは時間がかかりすぎ、

ますます興奮させると分ったので、

今度はボウルを使って与えますが、

一度のエサを3回に分けることにしました。



フードボウルは私の手に持ったまま

口元より少し低い位置に差し出し、

その体勢で食べさせます。



これはフードボウルへの執着の改善に

割とよく使われる方法です。



こうすれば、

フードボウルを自分の所有物と認識しないため

ボウルやエサに執着することも無いし、

飼い主の手元で食べることで

「エサは飼い主から貰える」ことを

さらに印象づけることが可能。



また、食べ終わった後に

たとえ私がボウルを取り上げても

「またおかわりが貰える」=「心配ない」

という図式になるという訳です。


゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆ 


しかし

コトは教科書通りには

進みませんでした



まず、私がボウルを持っていることで

ジャクチはすでに恐怖に怯えていました。



更に悪いことに、当時の私はまだ

かなりトレーニング・モードだったのです。



定位置での『お座り』はもとより、

エサを与える直前の『アイコンタクト』、

そして食べ終わったら『離せ』で

ボウルを取り上げることにしました。



『お座り』は問題無かったのですが、

エサを目の前したジャクチは緊張しすぎて

アイコンタクトが段々出来なくなります。


゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆ 


そうこうしているうちに、

時には唸ったり吠えたりと

態度が段々攻撃的になってしまったため、

「この状態でエサを与えるのは逆効果」と

一時立ち上がって(落ち着くまで)中断。

場合によってはその場を離れたりしました。



ところが、このせいで

一度はおしっこを漏らしてしまったので

さすがにその場を離れるのは止めました。



それでも更に不安を煽られたジャクチは

ますます攻撃的になってしまい、

ついに

私の手に噛み付きました。



この時はショックと言うよりも

「野生の動物に攻撃された」

そんな感じで、

可愛い子犬のジャクチが

凶暴な狼
にしか見えませんでした。



噛んだ後も険しい表情で

唸ったり吠えたりし続けました。



全身で怒りを表した動物の

特殊なオーラ
に圧倒され、

私も膝がガクガクするほどの

抑えられない恐怖を覚えました。



不安でした。



それでも、愚かな私は

希望を持っていたんです。



今は分らないから緊張しているけど

続けているうちに段々慣れて来て

怖がらなくなるに違いない。

そう信じていたからです。


゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆


毎日毎日、一日3回、

心の底から逃げ出したいと思うほど

憂鬱なエサの時間でした。



それでも毎回気を取り直して、

少しでもジャクチの恐怖を軽減するため

せめて上から目線にならない様、

片膝を立てて与えたりしていました。



それを2週間ぐらい続けた頃でしょうか、 

少しずつ慣れてきた気がしていたある日、

スプーンを持つ手が引っかかり

微妙にまごつきました。 



するとその瞬間、
ガッッッ!
何かが手にぶつかりました。



あまりの早さに、またしても一瞬

何が起こったのか分りませんでしたが、

約1秒後に気付きました。



また噛まれた!



そして直感的に、ジャクチが

私の手のボウルを狙っていると気付き、

更なる攻撃を避けるべく 

慌てて立ち上がりました。 



手からはポタンポタンと

床に血が滴り落ちています。 



極度に緊張して突撃寸前のジャクチ。

私が立ち上がった(=エサが遠のいた)ことと

床に落ちる血に気付いたことで

その興奮度はエスカレート。

まったく収拾がつかなくなってしまいました。



私も負けずに態度で威嚇してみましたが

効果があったとは思えません。


゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆


何と言うか、まさに

私たちを取り巻く空気の澱み

目に見えるようでした。  



もう、限界だ。



自分の無力さが悔しくて情けなくて

涙が止まりませんでした。

(つづく) 

IMG_2644
まだまだ何もかも不安な頃のジャクチ(涙)

゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆


今だから分る、失敗と成功のポイント:

人間にとっては「おかわり」でも、

犬にとっては「エサを盗られる」という

恐怖感を与えるだけである。






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