抹消したい過去(8)最終回:そして撃沈

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話しが中途半端になったまま長らくお休みしてすみませんでした。抹消したい過去シリーズ、とりあえずこれで最終回です。


おかわり方式でさらに状況を悪化させ

限界だ、と感じていたものの、

それではどうしたら良いのか

全く分らなくなっていました。



一体全体どうやったらジャクチの

恐怖心を無くすことができるんだろう。 

どうしたら噛まなくなるんだろう。



そんな焦りまくる気持ちを抑えつつ

犬の攻撃的態度について調べ直し、

ほとんど藁をもつかむ心境で

各所の問題犬フォーラムを覗いていました。



そしてその時、私は

驚くべき衝撃の事実

を知ることになります。


゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆


それは犬の成長過程における
Fear Period(恐怖期)
の存在でした。

その記事によると、生まれてから8〜11週の頃、

子犬は第一恐怖期を迎えるとあります。



そして私を打ちのめすかのように

こう続いていたのです。



この恐怖期に何か怖い体験をしてしまうと、生涯それがトラウマになる可能性がある。




、、、なんてこった(号泣)。





完全撃沈



でした。


゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆


そりゃもう、これを見付けた時

自分の頭を叩き割りたかったです。



フード・アグレッションを直そうと

私が毎日必死になっていたのは、

よりによってこの恐怖期に重なっている???



パニックになっていた私は

何度も繰り返し頭の中で計算しなおしていました。



ジャクチをシェルターから引き取ったのは5月の後半。その時の推定月齢が約2ヶ月。食べ物の執着でアレコレやりはじめたのは、確かその数週間後から。で、今は7月の後半。だとすると、、、?*&#!



ジャクチの月齢は推定でしかないし、

恐怖期の時期も個体に寄って差があるらしい。

どちらにしても、

ちょうどその時期かその前後に当たります。



取り返しのつかない事をしてしまった、、、のかも。



でも、どんなに後悔しても、自分を責めても

時間を戻すことはできません。 



出来る事はただひとつ。

トラウマになっていないことを祈りつつ、

もう何もしないこと。


゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆


以来、おかわり方式はピタっと止め、

とりあえずお座りだけ確認したら

1秒も待たせること無く、

即座に床に置く
方法に切り替えました。



それでもはじめの2週間ほどは

フード・ボウルを置いただけでも

ガルガルッと唸りながら

頭を振って噛み付く勢いでしたが、

余計なことは何もせず

ただただひたすらやっていたら

次第にそれは無くなってきました。


゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆


結局、

フード・ボウルへの執着を直すために

私が色々やってしまったのは

ジャクチが月齢約3ヶ月の頃。

記憶が若干曖昧ですが、期間としては

1ヶ月とか1ヶ月半だったと思います。



当時の最悪の状況こそ無くなりましたが、

あれから1年と10ヶ月経った今でも、

ジャクチ(そして私の)心の傷は深く

未だに癒えていません。

実はつい最近、この話しの続きが出来てしまったのですが、それはまた次の機会に。。。

 

長くなりましたが、

私の心から抹消したい辛い過去

のお話でした。 



ま、他にも色々あるんですけど(涙)。


IMG_1055
今日も拾い食い(今回はドーナツ)に忙しいジャクチ 


゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆


今だから分る、失敗と成功のポイント:

犬の食べ物への執着は直そうとするとさらに悪化する。

餌やり時のマテやアイコンタクトの強制は、
ジャクチの恐怖心を煽るだけである。 

月齢3ヶ月位は特に、恐怖心を植え付けないよう、
細心の注意を払わなければならない。 



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抹消したい過去(7)おかわり方式で最悪化

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「飼い主(私)はエサをくれる人だから、

たとえフードボウルを取り上げられても恐れる必要は無い」

と理解してもらうために、

次に実践したのは

おかわり方式
でした。 



手で直接与えるのは時間がかかりすぎ、

ますます興奮させると分ったので、

今度はボウルを使って与えますが、

一度のエサを3回に分けることにしました。



フードボウルは私の手に持ったまま

口元より少し低い位置に差し出し、

その体勢で食べさせます。



これはフードボウルへの執着の改善に

割とよく使われる方法です。



こうすれば、

フードボウルを自分の所有物と認識しないため

ボウルやエサに執着することも無いし、

飼い主の手元で食べることで

「エサは飼い主から貰える」ことを

さらに印象づけることが可能。



また、食べ終わった後に

たとえ私がボウルを取り上げても

「またおかわりが貰える」=「心配ない」

という図式になるという訳です。


゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆ 


しかし

コトは教科書通りには

進みませんでした



まず、私がボウルを持っていることで

ジャクチはすでに恐怖に怯えていました。



更に悪いことに、当時の私はまだ

かなりトレーニング・モードだったのです。



定位置での『お座り』はもとより、

エサを与える直前の『アイコンタクト』、

そして食べ終わったら『離せ』で

ボウルを取り上げることにしました。



『お座り』は問題無かったのですが、

エサを目の前したジャクチは緊張しすぎて

アイコンタクトが段々出来なくなります。


゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆ 


そうこうしているうちに、

時には唸ったり吠えたりと

態度が段々攻撃的になってしまったため、

「この状態でエサを与えるのは逆効果」と

一時立ち上がって(落ち着くまで)中断。

場合によってはその場を離れたりしました。



ところが、このせいで

一度はおしっこを漏らしてしまったので

さすがにその場を離れるのは止めました。



それでも更に不安を煽られたジャクチは

ますます攻撃的になってしまい、

ついに

私の手に噛み付きました。



この時はショックと言うよりも

「野生の動物に攻撃された」

そんな感じで、

可愛い子犬のジャクチが

凶暴な狼
にしか見えませんでした。



噛んだ後も険しい表情で

唸ったり吠えたりし続けました。



全身で怒りを表した動物の

特殊なオーラ
に圧倒され、

私も膝がガクガクするほどの

抑えられない恐怖を覚えました。



不安でした。



それでも、愚かな私は

希望を持っていたんです。



今は分らないから緊張しているけど

続けているうちに段々慣れて来て

怖がらなくなるに違いない。

そう信じていたからです。


゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆


毎日毎日、一日3回、

心の底から逃げ出したいと思うほど

憂鬱なエサの時間でした。



それでも毎回気を取り直して、

少しでもジャクチの恐怖を軽減するため

せめて上から目線にならない様、

片膝を立てて与えたりしていました。



それを2週間ぐらい続けた頃でしょうか、 

少しずつ慣れてきた気がしていたある日、

スプーンを持つ手が引っかかり

微妙にまごつきました。 



するとその瞬間、
ガッッッ!
何かが手にぶつかりました。



あまりの早さに、またしても一瞬

何が起こったのか分りませんでしたが、

約1秒後に気付きました。



また噛まれた!



そして直感的に、ジャクチが

私の手のボウルを狙っていると気付き、

更なる攻撃を避けるべく 

慌てて立ち上がりました。 



手からはポタンポタンと

床に血が滴り落ちています。 



極度に緊張して突撃寸前のジャクチ。

私が立ち上がった(=エサが遠のいた)ことと

床に落ちる血に気付いたことで

その興奮度はエスカレート。

まったく収拾がつかなくなってしまいました。



私も負けずに態度で威嚇してみましたが

効果があったとは思えません。


゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆


何と言うか、まさに

私たちを取り巻く空気の澱み

目に見えるようでした。  



もう、限界だ。



自分の無力さが悔しくて情けなくて

涙が止まりませんでした。

(つづく) 

IMG_2644
まだまだ何もかも不安な頃のジャクチ(涙)

゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆


今だから分る、失敗と成功のポイント:

人間にとっては「おかわり」でも、

犬にとっては「エサを盗られる」という

恐怖感を与えるだけである。






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抹消したい過去(6)エサは飼い主の手から

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*しばらくお休みしてすみませんでした。今後も頻繁な更新は難しくなりそうですが、少しずつ書いていきますのでどうぞよろしくお願いします!




とにかく、真っ先に解決したかったのは

フードボウルへの執着でした。

食べ物をくれるのは飼い主(人間)なのに、

その相手を怖がったり攻撃したりするのは

どう考えても矛盾しています。



でも、ジャクチがエサを食べている所へ

私がちょっかいを出したことで

信頼関係が崩れてしまったのかもしれません。

まずは「飼い主は食べ物をくれる人」 という

ポジティブな認識

を植え付けなければならない。

そう考えました。


゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆


当時私は子犬の躾に、オヤツを使った

リワード(ご褒美)式のポジティブ・トレーニング

すでに取り入れていましたが、とりわけ

ポジティブ・トレーニングで有名なDr. Sophia Yin

影響されていました。



ちなみに彼女は(少なくともトレーニング初期段階では)

通常のエサ時間というものを設けず

エサやオヤツはすべてトレーニングのリワードとして使用。

故にフードボウルは不要です。

だからこそ、犬がフードボウルに執着することもないし

食べ物をくれる人間の手を噛んだりしない。

という理論です。



そんな時、フードボウルへの執着を改善するために

「エサはすべて飼い主の手から与える」方法

があることを知り

早速、実践してみることにしました。 


゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆


つまり、エサをフードボウルに入れる代わりに

すべて私の手から直接食べさせる訳です。 

時間はかかりますが、少しずつ与えることで

食べるスピードも改善されて一石二鳥!



に違いない、と思ったのですが、

そうは問屋が卸しませんでした。



それまでエサはフードボウルから食べていたのに

いきなり私の指からチビチビと小出しにされたジャクチ。

食事を目の前に元々興奮していたのが

早く食べたくてますますナーバスになり

緊張でドンドン身体が強ばっていきます



これはマズい!



と即座に気付いた私は、

若干スピードアップするために

手をお皿の様な形にして

一回の量を少し増やしてみました。
 


しかし、コレでも駄目でした。



ジャクチはとにかく緊張しまくり

大慌てで手の平のエサを吸い上げています。 

しかも早食いが更に悪化。

これでは完全に逆効果です。



ゆっくり食べさせるどころか

ますます興奮を煽る結果となってしまったのです。

このまま続ける訳にはいきません。


゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆


しかし、完全に諦めることも出来ませんでした。



元々はジャクチが食べているモノを

取り上げられるようになりたかった私ですが、

それより何よりも

「飼い主はエサをくれる人」であり

「飼い主がエサを奪うものではない」ことを

何としてもジャクチに理解して貰いたかったからです。

この根本的な部分が分らない限り、

食べ物への執着は治らないと思いました。



そこで、再度フードボウルの執着について研究し

今度はちょっと違う方法でいくことにしました。

(つづく) 

IMG_2621
庭で何かをかじっている月齢4ヶ月のジャクチ。
私に盗られまいと常に警戒中。

゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆

 
今だから分る、失敗と成功のポイント:

トレーニングのリワードならまだしも、

エサを手からチビチビ与えるのは、

食べ物に執着のある犬の興奮をさらに煽り

逆効果でしかない。






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年末にかけてずっと忙しかったり色々あったりして、しばらく更新をサボっています。見に来てくれた方には本当に申し訳ないと思っています。そして優しいメッセージくださった方、どうもありがとうございました。新年なのでとりあえずご挨拶だけでもと思い、プチ更新しています。

皆さま、明けましておめでとうございます。

また落ち着いたらブログも再開しますので、どうぞよろしくお願いします。

ジェイ

抹消したい過去(5)そしてアルファ・トレーニング

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そんな訳でますます心配になった私は

またしても獣医に相談すると、

だからアルファ・トレーンングしないと駄目なんですよ!

と呆れられてしまいました。



ちなみにうちの獣医は犬にも人にも

と~ってもソフトな対応の優しい方で

厳しい服従訓練をするタイプでは全然ありません。

彼の言うアルファ・トレーニングは

人間の赤ん坊と同じように

子犬の背を下にして腕に抱きかかえ

お腹を撫で撫でする。


という優しい感じのものでした。



実際にジャクチを抱きかかえて

見本を見せてくれましたが、

ジャクチはちゃんと大人しくしています。



それならば、と

とりあえずソファーの上で

リラックスしている時に始めようと

私がジャクチを抱き上げると

暴れる、暴れる!

どうやってもひっくり返せません。

何が何でも手をすり抜けて

とにかく逃げ回ります。



時間を置いて数回試みましたが

なんともかんとも、

どじょうすくいも真っ青です



仕方が無いので、今度は

ソファーの上でひっくり返してみたり

膝の上に乗せたり、

色々な方法を試してみました。


゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆


ちょっと諦めかけた頃、

さらにネットで調べて見ると

犬が暴れても絶対止めてはいけない。

と書いてあり、

私のやり方が甘かったと反省。



やはりコレを定期的にやると

犬が大人しく従順になるとのことなので、

なんとしても成功させたい!

そう思いました。



そして最終的に行き着いたのは、

私が若干浅く座って

ソファーの背にもたれかかり

ジャクチのお腹を上に向け

私の膝上からお腹、胸のあたりで

抱っこするような感じで寝かせる。

この方法でした。



これももちろん暴れましたが、

しっかり固定したら大丈夫でした。

成功した第一回目は、落ち着くまでに

軽く30分以上かかりましたが

これもネットに書いてあった通りです。


やっと成功した!


とても嬉しかったのを覚えています。

IMG_2558
リラックスしている時は可愛い顔も見せるのに
食べ物がらみでは文字通り豹変してしまうジャクチ(月齢3ヶ月)

゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆


実はこのアルファ・トレーニングをはじめて

しばらく後、月齢4ヶ月になってから

パピークラスにも参加しました。

するとそこでもまったく同じ事をさせたので

コレなら最近家でもやってるから楽々!と

先生にも褒められ、

私はちょっと自慢げでした。 


゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆


さてさて、

アルファ・トレーニングと称して

ジャクチをひっくり返して固定する。

この後のジャクチの反応は?!

と言うと、、、



大体1分位

なんとなく大人しくなりました





繰り返します。





トレーニング直後の1分間ぐらい

落ち着きをみせていました。 



、、、、。



で?



って、言う感じでして



要は、いつまで経っても

ジャクチの普段の態度や攻撃性には

まったく効果が無かったのです。



そのパピークラスには他にも問題があり

結局1ヶ月通っただけでしたが、

それを期に、この超意味の無い

アルファ・トレーニングも

スパッと止めました。



コレだけで従順になる犬って

単に元々従順な性格だったんでは?

としか思えません。



ま、とにかく

こんなことをしている間

実は私は、もっともっと

恐ろしいことをしていたのです。 

(つづく)


゜゚*☆*☆*゚ ゜゚*☆


今だから分る、失敗と成功のポイント:

アルファ・トレーニングはジャクチには無意味である。



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